【第6回】ホテルパンの材質と種類

スチコンは、様々な調理を可能にする加熱機器です。
そのスチコン調理に欠かせないアイテムと言えば、「ホテルパン」。

一口にホテルパンと言っても、サイズ、材質と種類が豊富です。
料理や目的に応じて、ホテルパンを使い分ける事が調理の幅を広げるポイントにもなりますので、詳しく見てみましょう。

ホテルパンの主なサイズ、深さ

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1/1ホテルパンサイズは、「530mm×325mm」
国際規格で定められている。

<サイズ 例>

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●1/1ホテルパンサイズを基準に、2/3、1/2と種類が豊富。
●小さいホテルパンは、少量多品種の調理に最適。

<深さ 例>

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●深さ20・25mm : 焼き物、煮物・炊飯時の蓋、汁受け
●深さ30・40mm : 焼き物、炒め物
●深さ65mm : 煮物、炊飯、炒め物、卵焼き
●深さ100・150mm : 煮物、汁物

ホテルパンの主な材質

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ステンレス

●値段が安価
●汎用性が高い
●種類も豊富

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アルミ

●値段がステンレスの1.5倍
●熱伝導が良くステンレスの16倍
 ⇒接地面に焼き色が付きやすい
●焼き物に最適

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栄養士からのアドバイス

主にこの2種類がよく使われていますが、まだまだ色々な材質のホテルパンが存在します。
まずはこの2種類の違いを理解していきましょう。

主要ホテルパンの種類

ステンレス

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●焼き網

焼き物、フライ風

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●深さ25mm

焼き物、汁受け、煮物・炊飯時の蓋

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●深さ65mm

煮物、炊飯、炒め物・卵焼き

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●穴あき65mm

野菜のボイル、ゆで卵、蒸しパン

アルミ

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●深さ25mm

魚や肉、野菜の焼き物

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●波型

魚や肉、野菜の焼き物

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●エッグパン

目玉焼き、お好み焼き、ホットケーキ等

<調理例>鯖の塩焼き(コンビ240℃・蒸気量50%・芯温85℃まで加熱)

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アルミは、ステンレスに比べて、熱伝導が良いため、ホテルパンとの接地面に焼き色が強く付きやすい。

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写真のように、中にはステンレスの表面にテフロン加工が施されている物もあります。
表面は黒く、アルミに見えますが、材質はステンレスと変わらないため、
食材の焼き色はステンレスと同等です。
ただテフロン加工がある分、油やオーブンシートがなくても食材がくっつきにくくなります。
ステンレスとアルミの違いは、裏面の色、または重さで見分る事ができます。

・裏面の色・・・ステンレスは茶系、アルミは銀色
・重さ・・・ステンレスは重い、アルミは軽い

その他・特徴的なホテルパン

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●新型ハンドル可動式ホテルパン 

530×325×H100mm
ハンドルが付いているので、持ち運びが容易。

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●親子パン

親子丼、目玉焼き(1人前ずつ加熱可能)

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●バスケットパン

フライ風、揚げ物風の再加熱、深さ65mm内にセットして利用すると、煮物の汁切りが可能。

調理に合わせて、ホテルパンを使い分けましょう。

ホテルパンの使い方  ~調理編~

●水滴垂れを防ぐ

①穴あき深さ65mmの上に、オーブンシート + 焼き網 をのせる
②一つ上段に、深さ25mmを投入する 例)プリン、茶碗蒸し

スチームモードの蒸気が直接調理物にかかり、繊細な調理では品質が下がる事、また複数段調理をすると、上段の結露が下段に滴る事から、①・②どちらかの水滴垂れの対策が必要。

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●煮物、炊飯の蓋

深さ65mm + 深さ25m

コンビモードで調理する煮物や炊飯は、庫内は熱風が循環しているので表面部分が乾燥して硬くなる事、また複数段調理では、上段の結露が下段に滴る事から蓋が必要。

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栄養士からのアドバイス

特に炊飯は、しっかりと形状の合うホテルパンで蓋をして、風が入らないようにしてください。
ホテルパンメーカーによって、スタッキング性が異なるため、なるべく統一する事をおすすめします。

●風量を抑える

1つ上の棚に深さ65mmを投入する

風量調節ができない機種の場合、繊細な菓子類の調理は風除けが必要。
(外側が十分に焼けていても、中心部は加熱が不十分な事もある。)

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!注意!

カップケーキを強風で加熱した場合
⇒生地が上に膨らまず垂れてしまう事があるため、風量を抑える対策をする必要がある。

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栄養士からのアドバイス

風量調節ができる機種とできない機種があるため、スチコンの機種選定の段階で、風量調節機能の必要性をよく検討したほうが良いでしょう。

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詳しくは 「機種シリーズの特長」の回をご覧ください。

スチコンの相棒「ホテルパン」の材質と種類に関してでした。

調理に合わせたホテルパンを選定する事がスチコン調理のポイントになります。

次回は、引き続き「ホテルパン」に関してです。
ホテルパンの容量や処理量を理解する事で、
よりスチコン調理の品質の向上につながります。

次回も合わせてご覧下さい!

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