【第8回】スチコンのお手入れ方法(Cタイプ)

スチコンのお手入れは、調理後に欠かせない作業の一つです。

スチコンのお手入れをせず長期間使用すると、製品寿命を短くしたり、また調理物の品質低下といった悪循環を招いてしまいます。

スチコンを長く使うためにも、日頃からしっかりとお手入れを行いましょう。

お手入れ

お手入れの頻度

・使用した都度  :芯温センサー(使用した都度)
・毎日      :スチコンの庫内、扉パッキン、扉ガラス、排水網
・1週間に1回程度:オーブン棚、汁受け、吸込フィルター、機器外装、給気フィルター

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芯温センサーの使用後は、食材の残りカスが付着します。正確に測定できるように、使用した都度拭き取りましょう。

洗浄方法は、「手動洗浄モード」と「自動洗浄モード」の2種類

手動洗浄モード:手動で洗剤噴霧から乾燥まで行う。

(対象機種)
・全機種に「手動洗浄モード」を搭載

自動洗浄モード:機種によっては、自動洗浄機能が搭載。

(対象機種)
・エクセレント:全自動洗浄機能を標準搭載(洗剤投入⇒洗浄⇒すすぎ⇒乾燥)
・デラックス :洗浄機能付機種もあり(洗浄⇒すすぎ⇒乾燥)
・スタンダード:洗浄機能付機種もあり※6段以上のみ(洗浄⇒すすぎ⇒乾燥)
・シンプル  :なし

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お使いの機種が分からない方は、
『機種シリーズの特長』の回をご覧ください。

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今回は、全機種にある「手動洗浄」について手順を説明していきます。

手動洗浄の手順

洗浄前の準備

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①庫内を50℃以下に冷却する
扉をゆっくり開け、クーリングキーを押して、庫内を50℃以下になるまで冷却する。(冷却できたら再度クーリングキーを押して停止する)

◎庫内温度が高い状態で、専用洗剤を噴霧すると、専用洗剤が焼きついたり、ハンドシャワーで水をかけたりすると、庫内の変形にも繋がったりするため、必ずクーリングキーでの冷却を行いましょう。

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②庫内全体に専用洗剤を噴霧する
専用洗剤は、庫内隅々に噴霧する。特に汚れのひどい場所、ファン、芯温センサー等

!注意! 保護メガネ・ゴム手袋・マスクを着用すること
!注意! スチコン専用洗剤は、注意して取り扱うこと

◎洗剤がかかってない箇所は汚れが落ちないため、満遍なく噴霧してください。

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必ず芯温センサーを確認する
芯温センサーに食材カスが付いていないか確認する。

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使用後に拭きとっても、細かい食材の残りカスが付着している恐れがあるので、注意しましょう。

洗浄開始

③手動洗浄モードを設定する(機種ごとの設定方法)

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④スタートする
扉を閉め、スタートストップキーを押して、洗浄開始する。(所要時間:約30分)

!注意! 扉を途中で開けないこと

◎手動洗浄モードでは、15分間は運転を停止して洗剤をなじませ、その後15分間スチームで汚れを浮かせています。

仕上げ

⑤ハンドシャワーで汚れと洗剤を落とす
終了ブザーが鳴ったら、扉をゆっくりと開け、ハンドシャワーで汚れと洗剤を十分に洗い流す。

!注意! 保護メガネ・ゴム手袋・マスクを着用すること 
!注意! 手動洗浄を強制終了した場合、庫内に洗剤や汚れが付着したままになっているので、ハンドシャワーで十分に洗い流すこと

◎本体(庫内以外)に水がかからないように十分注意してください。

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ハンドシャワーは、レバーを弱く握ると扇状に、強く握るとストレートに水がでます。

⑥各部品の洗浄をする

!注意! 各部品は取り外したら、必ず元の位置に戻す。
※詳細は「●各部品のお手入れ」をご参照ください。

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⑦庫内を殺菌、乾燥させる
熱風150℃に設定して、庫内が乾くまで乾燥させる。

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栄養士からのアドバイス

衛生を保つためにも、水分が残らないように庫内を十分乾燥させましょう。

各部品のお手入れ

各部品は、清掃後は必ずよく水気を取り、所定の位置に取り付ける。

●芯温センサー、機器外装、扉パッキン、扉ガラス

①布に洗剤を含ませて、汚れを拭く。
②固く絞った布で、洗剤をよく拭き取る。
③乾いた布で拭き、仕上げる。

(芯温センサー)
!注意! 芯温センサーは使用した都度拭くこと

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加熱後、芯温センサーに食材のカスがこびり付きやすいので、しっかりと拭き取る事が大切です。

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(機器外装、扉パッキン)
!注意!本体(庫内以外)に水がかからないようにすること

(扉ガラス)
!注意!扉ガラスは二重ガラス構造なので、ツマミを外して内側もよく拭き取ること

●排水網、汁受け

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・排水網は、溜まったゴミを捨てる。
・汁受けは、汚れを拭き取る。

●オーブン棚、吸込フィルター(1週間に1回程度)

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汚れがひどい場合は、庫内から取り外し洗浄する。

(オーブン棚、吸込フィルターの着脱方法)
・取り外す場合 器具を持ち上げ、手前に引いて外す。
・取り付ける場合 上側のピンに器具の穴を差し込んで取り付ける。
(ピンは庫内上下各2箇所ずつある)

!注意!オーブン棚は、右用・左用があるので、必ず奥側にストッパーがくるように入れること

!注意!吸込フィルターは上下取り付け向きがあるため、必ず「↑ウエ」「↓シタ」表示に従い取り付けること

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※ロールインカートタイプの場合のみ

!注意!予熱アタッチメントまたはロールインカートを庫内にセットしてから洗浄を開始すること
!注意!予熱アタッチメントは、予熱と洗浄モード以外で使用しないこと

●給気フィルター(1週間に1回程度)

フィルターを外し、定期的に水洗いし、よく乾燥させて取り付ける。
汚れがひどい場合は、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、ゆすぎ洗いした後、水で洗剤をよく洗い落とす。
清掃後は、よく乾燥させてから取り付ける。

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!注意!フィルターが目詰まりすると、機器の故障の原因となる
!注意!フィルターは直射日光を当てたり、火であぶって乾かさないこと
!注意!フィルターを外したまま運転しないこと

!お願い!
給気フィルター(消耗品)は、なくなる前にお買い求めの販売店、または最寄りの弊社支店、営業所にお問い合わせください。

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手動洗浄についてでした。
続いて、軟水器のメンテナンスについてもみてみましょう。

軟水器のメンテナンス

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*カートリッジ式浄軟水器
・半年から1年未満ごとに軟水器内のカートリッジ交換が必要。
・カートリッジは消耗品のため、交換時期を確認する。
・交換時期は水の使用量、水質によって異なる。
・交換時期をお知らせするために、電源を入れた時に「C-F」または「軟水器を交換してください」の表示とブザーが鳴るため、この表示が出たら、速やかにお買い求めの販売店または最寄の弊社支店、営業所まで連絡してください。(交換は弊社サービスマンが行います。)

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*全自動軟水器
・1週間に1回程度は、再生用の塩を規定量入れる。
・軟水器の使用方法につきましては、付属の軟水器取扱説明書をよく読みご使用ください。

!注意!
軟水器のメンテナンスを怠ると、ジェネレーター(蒸気発生装置)にスケールが付着する、排水用ポンプまたはボールバルブが詰まるといった機器の故障につながるため、交換時期や食塩の残量などを確認すること

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栄養士からのアドバイス

軟水器のメンテナンスは、スチコンを長くお使い頂くためにも必要なメンテナンスです。
機器の故障にもつながるので定期的に行いましょう。

よくある質問

Q:スチコン専用洗剤は希釈した方が良いですか?

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A
スチコン専用洗剤は、決して希釈しないでください。希釈すると、焼きついた汚れが落ちない場合があります。

!スチコン専用洗剤の注意点!
・洗剤は庫内以外に噴霧しないこと
・洗剤が皮膚に付いた時はすぐに大量の水で十分に洗い流すこと
・洗剤が目に入った時はすぐに流水で15分以上洗い流し、眼科医の相談を受けること
・万一飲み込んだ時はすぐに吐き出し、大量の水や牛乳を飲み、病院で治療すること

Q:専用洗剤の変わりに食器用洗剤や住居用洗剤は使っても良いですか?

A
庫内洗浄ではご使用になれません。必ず専用洗剤を使ってください。
汚れが落ちにくく、機器を傷めたりすることもあります。
ホテルパンや焼き網など直接食品に接する調理道具のお手入れには、食器洗い用の中性洗剤を使います。

Q:庫内はスポンジやタワシでこすっても良いですか?

A
庫内に傷が付く可能性があるため、こすらないでください。
そのため、庫内に満遍なく洗剤を噴霧する必要があります。
汚れがひどい場所は重点的に噴霧しましょう。

Q:定期的にメンテナンスが必要なことはありますか?

A
1年に2回はお買い求めの販売店、または最寄りの弊社支店、営業所に有償点検を依頼すると良いでしょう。(点検、保守契約をご利用ください)
(主なメンテナンス例) ※使用頻度によって異なります
軟水器のカートリッジ、扉パッキン、庫内ライトの交換
スチームジェネレーターのスケール除去

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マルゼンは厨房機器メーカーとして、お客様に安心して機器をお使いいただけるよう全国に窓口を設けております。
メンテナンスは迅速かつ的確に対応し、お客様をサポートしております。
厨房の「点検・保守」はマルゼンにお任せください。

今回は、スチコンのお手入れ方法についてでした!

毎日こまめにお手入れすることで、機器の故障を防ぐだけではなく、調理の品質の安定にもつながります。

正しいお手入れ方法で、末永くスチコンをお使いください。

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